やまずみじんじゃ
山住神社
邪気退散の山犬信仰の霊場
山住神社は奈良時代の和銅二年(709年)、伊予国(現在の愛媛県)の大山積神社からこの北遠水窪の山中に大山祗神を勧請したことに始まる。往時は芽原河内神社と呼ばれ、江戸時代には山住権現、そして明治五年に山住神社と改められた。北遠には山犬にまつわる多くの伝承が残されているが、山住神社はその流れを汲んだ山犬信仰の霊場である(もう一か所は春野町にある春埜山大光寺)。家に邪気が宿ったり、病魔がとどまっている時に、これを払うために霊場である山住神社に山犬を借りに行くのである。水窪の人々は必ず三人一組で山住神社まで登り、神社からお犬様のお札を授けてもらう。それを青竹に挟んで家に持ち帰り神棚に供えると犬が邪気を追い出してくれるというものである。現在は車で神社前まで行けるが、三十年ほど前までは自動車道が無く、河内浦の谷底から急な山道をを登らねばならなかった。水窪町に出かけられた際には、家々の軒下に見る事ができる山犬の絵が描かれたお札を見かけることだろう。山間部ならではの山犬信仰。その土地の環境や生活習慣によって、崇める神様や仏様も様々であると改めて認識したものである。
- 山住神社(やまずみじんじゃ)
- 静岡県浜松市天竜区水窪町山住230
- 053-987-1179
- 神社
- 日本総鎮守大山祇命
- 邪気退散、家内安全、五穀成就、商売繁盛、災厄消除、諸願成就
- 災厄消除などのお守り各種、山犬のお札
邪気退散、家内安全、五穀成就、商売繁盛、災厄消除、諸願成就
朱塗りの山門
神社では珍しい朱塗りの山門。昔から大権現として、大切にされ、親しまれてきた名残が表れている。