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せいでんじ
源宝山 西伝寺
浜松における浄土宗最初の寺 大木の根元に歴史を見た
浄土宗を開立した法然が各地を巡歴する途中、この遠州の地にもその足跡を残したわけであるが、その道すがら、全国各地に弟子をとどめさせ、浄土宗の草庵を開かせた。その法然の弟子のひとり、西伝法子の構えた草庵が源宝山西伝寺の開創につながった。浜松地方における浄土宗最初の寺として、今日まで古刹としての歴史を刻み続けている。元となる草庵が開かれたのは平安時代の治承年間とされている。西伝法子によって開かれた草庵が寺として独立の時を迎えるまでには鎌倉時代全期にわたる歳月の流れがあり(約180年ほど)、正式に一寺として興されたのは南北朝期の正平二十二年(1368年)で、江戸芝増上寺の雲誉上人愚廓和尚が開山、開創した。本堂前庭には樹齢800年を超えるいぶきの大木が枝を広げている(浜松市指定天然記念物)。この巨木には伝承があり、宝暦年間(1751〜1763年)に起きた大火により黒こげになり、いぶきの大木は幹だけを残し焼失したが、その後奇跡的に芽吹き、現在に至るという、法然上人が自ら植えた伝説のいぶきと伝えられている。今でも幹の北側にはその時に焼け焦げた跡が残っている。是非足を運んで頂き、いぶきの根元で当時の世相や寺の様子を想像してみてはいかがだろうか。
  • 源宝山 西伝寺(せいでんじ)
  • 静岡県浜松市南区西伝寺町81番地
  • 053-461-8445
  • 浄土宗
  • 阿弥陀如来
いぶきの大樹
法然上人お手植えのいぶきとされ、樹齢約800年、樹高10m、幹の目通り3.3m、枝葉は司法6mに及ぶ雄大な大樹。宝暦9年(1759年)の大火でお寺の建物がことごとく消失したが、奇跡的に焼け残り、再び芽吹いて今日に至っている。