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ふくらいじ
観光山 福來寺
片目のだるまに託す庶民の願い 福来寺 笠井観音
毎年一月十日のだるま市で賑わいをみせる福来寺は、地元笠井町の発展の礎を築いた寺である。五穀豊穣、家内安全、商売繁盛がご利益で、お守りはだるま。だるまには目がなく、片方だけに目を入れ、ご利益を願う。理由は単純。片目のままだといつまでも不自由でしょ?お願いをかなえてくれたらもう片方の目もいれてあげるから、早く願いを聞いてちょうだいよ!というものだそうだ。庶民の祈りを身体を張って受け止める、ありがたいお守りである。福来寺のご本尊、聖観世音菩薩は別名笠かぶり観音と呼ばれる。大同元年(806年)、天竜川の川底で夜ごと光る物があり、村人が引き揚げるとそれは三尺くらいの木の仏像であった。村人は仏像を水で清め、切り株の上に安置し敬っていたところ近郷で有名になり、雨の日には誰かが笠をかぶせるようになった。この笠かぶり観音がのちに笠井観音となり、観音堂を中心に市が立つようになった。笠井の町の始まりといわれる伝説である。時代の流れとともにこの市も衰退し、現在ではだるま市と笠井海道の軒の低い格子のはまった古い家並みに当時の隆盛を慮ることができる。
  • 観光山 福來寺(ふくらいじ)
  • 静岡県浜松市東区笠井町252番地
  • 053-434-0739
  • 浄土宗
  • 聖観世音菩薩
  • 五穀豊穣、家内安全、厄除け祈願
  • だるま
五穀豊穣、家内安全、厄除け祈願
一月十日のだるま市
常日頃は人影まばらな福来寺の境内も、だるま市の時だけは生き返ったようにだるまを売る露店が並び、観音堂の中は読経の声と線香の煙が一日中絶えない。