ほうこうじ
深奥山 方広寺
臨済宗方寺派の総本山 霊験あらたかな半僧坊の天狗様
深奥山方廣寺は遠江を中心に数多くの末寺を抱える臨済宗方坑廣寺派の大本山である。建徳二年(1371年)、後醍醐天皇の皇子、無文元選禅師が、井伊氏の一族で奥山に居住していた奥山六郎次郎朝藤の招きを受けて浜名湖北の山中に開創した。富幕山系の山並の中に伽藍が構えられているが、当時の伽藍は明治14年の大火によってすべて焼失。今の建物はその後再建されたものである。境内にある権現造りの神殿に祀られている半僧坊は秋葉山の三尺坊と共に、遠州地方は当然ながら、近隣地域にも広く知れ渡る有名な天狗様である。正式には『半僧坊大権現』とよばれており、遠州に数ある霊場のうちでも特に霊験あらたかで、厄難消滅、海上安全、火災消除、諸願満足の権現として全国的に信仰を集めている。半僧坊は天狗と言われているが、実際には中国での修行を終えた無文元選禅師が帰国の途中、海上で暴風雨に遭遇し命の危機に瀕した際、船首に鋭い眼光の男が現れ、無事博多まで船を導いたという伝説に基づき、眼光の鋭い男=修験者ではなかったのかいう説がある。半分は修験者、そして半分は僧のような力量を持つ男…そこから半僧坊と名乗るようになったといわれている。半僧坊信仰は明治中期以降に急速に高まり、各地から奥山を目指す信仰の道がつくられ、数多くの道標や丁石が建てられ、今日までの盛隆をうかがい知ることができる。
- 深奥山 方広寺(ほうこうじ)
- 静岡県浜松市北区引佐町奥山1557-1
- 053-543-0003
- 寺
- 臨西宗
- 釈迦牟尼仏、半僧坊大権現
- 厄難消滅、火災消除、商売繁盛
- 交通安全、火防守護、家内安全、安産など多数
- http://www.houkouji.or.jp/
厄難消滅、火災消除、商売繁盛
水戸黄門ゆかりの釈迦如来像
釈迦如来を中心に向かって右に文殊菩薩、左に普賢菩薩が並ぶ釈迦三尊像。観応三年に造られたもので、元禄の頃、水戸の徳川光圀の命で修繕したと背面に誌されている。